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門馬 義雄*; 山崎 政義*; 永江 勇二; 加藤 章一; 長谷部 慎一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-044, 22 Pages, 2000/03
高速炉プラントの新構造材料および寿命診断技術の開発では、従来強度評価の補強資料として定性的理解のみに用いられてきた材料組織の微視的観察結果とその分析データを定量的に把握し、組織変化が材料特性におよぼす効果あるいは相関性を評価する手法の確立が必要である。特に炉心構造健全性を保証するために、溶接継手部における高温長時間強度特性と組織変化の関係を明らかにする技術開発のニーズが高い。このため、高速炉容器の溶接金属について、クリープによる組織の経時変化を定量化する技術に取り組んだ。本研究では、まず高速炉容器用に開発された316FR鋼を母材として、16Cr-8Ni-2Moおよび共金系(18Cr-12Ni-Mo)の溶接金属のクリープ試験を823および873Kで行い、37,000hまでのクリープ破断データを取得することにより、そのクリープ特性を明らかにした。さらにクリープ破断した試験片平行部の組織観察を行い、析出物の面積を定量化し、その経時変化とクリープ損傷の対応についての検討を行った。溶接金属のクリープ強度は高応力短時間側で16Cr-8Ni-2Mo系が共金系よりも小さいが、低応力長時間側では16Cr-8Ni-2Mo系と共金系のクリープ強度が同等になる傾向がみられた。また、クリープ破断延性は16Cr-8Ni-2Moの方が共金系よりも優れていることがわかった。さらに、溶接金属の823Kでの低応力長時間および873Kではフェライト中に析出した相界面に発生する割れがクリープ破壊の起点となることを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量はいずれの温度時間においても共金系溶接金属よりも少ない。析出物の変化はマグネゲージで測定した残留フェライト量の変化と良く対応しており、フェライト量が時間の経過と共に減少するのに伴い、析出量は増加することを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属のクリープ破断材平行部の析出量とクリープ破断時間(対数)との関係をLarson-Millerパラメータ(LMP)で整理すると、1次式で表すことができ、この式から16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量の予測が可能になった。
加藤 章一; 吉田 英一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-042, 112 Pages, 2000/03
FBR蒸気発生器の伝熱管破損に起因する隣接伝熱管への破損メカニズムのひとつとして、ナトリウム-水反応により急速に伝熱管壁が加熱され破断に至るいわゆる高温ラプチャ現象が考えられる。本研究では、改良9Cr-1Mo鋼に関する高温ラプチャ評価の基礎データとして反映するため、超高温領域における引張及びクリープ試験を実施した。引張試験におけるひずみ速度は10%/min10%/sec、クリープ破断時間は最長277secである。また、試験温度は7001300である。本試験において得られた結果を要約すると、以下のとおりである。(1)改良9Cr-1Mo鋼について、ひずみ速度と引張強度との関係及び数分以内の極端時間のクリープ破断強度に関する評価データを取得した。(2)上記取得データに基づき、Mod.9Cr-1Mo鋼伝熱管の構造健全性評価に必要なクリープ破断式を提案した。(3)改良9Cr-1Mo鋼の超高温域における引張強度及びクリープ強度は、「もんじゅ」伝熱管材料の2・1/4Cr-1Mo鋼よりも高い値を示し、優れた強度特性を有していることがわかった。
木村 重人; 青木 昌典; 桜井 方*; 柳林 清司*; 吉田 英一; 和田 雄作
PNC TN9450 92-004, 37 Pages, 1992/06
本報告書は、耐照射スエリング特性に優れ、FBR大型炉用炉心材料として適用が予定されている高強度フェライト/マルテンサイト網について、材料開発室で収得した大気中およびナトリウム中内圧クリープ特性データをまとめたものである。1材料:高強度フェライト/マルテンサイト網燃料被覆管形状(6.50.47MMT)2試験環境:大気中およびナトリウム中3試験温度:600、650)4フープ応力:9.4832.43KGF/MM2、5データ点数:13点、なお、材料特性データは、「FBR構造材料データ処理システムSMAT」のデータ様式に従い作成したものである。
横井 信*; 門馬 義雄*; 藤村 理人; 菊山 紀彦; 伊丹 宏治
JAERI-M 5651, 27 Pages, 1974/03
OGL-1内壁管用ハステロイ-Xのクリープ破断試験を金材技研との共同研究で実施した。鍛造母材について800C,900C,1000Cでまた電子ビーム溶接材およびTIG溶接材について900C,1000Cで破断時間最高10時間までの試験を実施した。その結果得られたLarson-Millerパラメーターを用いたクリープマスターカーブは母材については6.2kg/mmから1.0kg/mmの範囲で直線関係が得られ、また電子ビーム溶接材も母材と同等の破断寿命をもつことが認められたがTIG溶接材は1000Cで母材より短時間で破断した。破断後試験片の金相観察およびXMAを用いた析出物の元素分析を行った結果母材に発生するマイクロクラックは破断寿命に近ずいてから現れるのに対しTIG溶接材では比較的初期に溶着金属の中の析出物に沿ってマイクロクラックが発生伝播することがわかった。また母材に現れる析出物は短時間側ではMo化合物で、長時間側になるにつれCr-Moの複合化合物となって結晶粒界に粗大化する傾向が確認された。